北千里高等学校

校長ブログ

  • 2019年5月29日 体育祭に向けて結団式を行いました

    5月27日(月)、中間考査も終わりいよいよ体育祭まで8日となりました。7時間目に団長指導による結団式を行いました。

    団長自己紹介の後、「みんなが楽しめる体育祭にしよう!」という力強い呼びかけがありました。1000名以上の人たちに指示を出す団長の役割は重責ですが、それをやりたいと立候補する人たちが出てくることは本当に素晴らしいと思います。

    入学当初は、どちらかというと女子の方が活発な印象ですが、3年生になるとしっかり男子生徒も前に出てくるようになり、3年間の精神的な成長を感じます。「授業」も大切ですが、学校というたたずまいの中では「学校行事」も子どもたちの成長のために大切なものです。

    勉強だけしていれば一人の人として完成されるものではなく、友達同士のなかで関係に悩んだり、切磋琢磨したりする中で人と人とがつながることの難しさ、喜びや楽しさも感じていくものだと思います。そういう経験を経て、社会に出た時にリーダーとしてどのようにふるまえばいいのか、対立する意見をまとめていくためにどのようにするのがよいのかなどをつかんでいきます。そこには「教科書のない学び」があります。

    その具体例をお話しします。以前に担任をした3年生のクラスで文化祭に合唱をすることになりました。文化委員はくじでしかたなく決まった生徒でしたので、何をどうしてよいのやら最初は全く意欲が感じられませんでした。文化委員が指揮者ということはクラス全員で相談して決めたのですが、その指揮もみんなが歌いやすいようにタイミングを示したり、音の強弱を体で示したりするものではなく、ただ前を見て機械的に指揮棒を動かしているだけでした。担任であった私は見るに見かねて、「練習はいつするの」「パート練習はどうやってすすめるの」など、彼にいろいろ質問をし、そんなこともやらないといけないんだと気づいてもらおうと必死でした。そうこうするうちに、男子、女子の中にそれぞれパートリーダーができ、練習はパートリーダーが中心となって進めてくれる体制ができあがりました。段々と声もよく出るようになり、合唱として聞くことのできるレベルになり当日を迎えました。おそらく文化委員の彼は自分一人だけではここまでできなかっただろうと思います。それまであまり表に出ることがなく、クラスでも目立たない存在だった彼が急にみんなの前で支持する立場となり、少しずつ彼の様子が変わっていくことが感じられました。それと歩を合わせるように低迷していた成績もどんどん伸びていったのです。覚えているのは世界史の成績です。いつも欠点か欠点すれすれだったもの平均以上の点が取れるようになっていたのです。きっと文化祭のクラスメイトとの関係の中で、なにか自信になることをつかんだのではないかと思います。

    行事の前後は少し学習がおろそかになる人もいると思いますが、保護者の方も少し目をつむって、お子様の成長を見てあげてほしいと思います。悔しがって泣くのも成長です。大きな心の動きがあるのが成長です。どうぞよろしくお願いします。

    集合風景

    団ごとの結団式

    入場行進の練習