校長ブログ
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2024年3月4日 3月1日 卒業式
第四十四回 卒業証書授与式 式辞
ただ今、三百十名に卒業証書を授与いたしました。まずは、卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。
本日、ご来賓の皆さま、卒業生のご家族の皆さまのご列席をいただき、第四十四回の卒業証書授与式を挙行できますことを、高いところからではありますが、心より御礼申しあげます。
卒業生のご家族の皆様、本日は誠におめでとうございます。ある時は厳しく、そして、ある時は暖かく接しながら、ともに歩まれた三年間であったかと存じます。約四年前に始まった新型コロナウィルス感染症の感染拡大を受けた突然の休校、その翌年に高校受験があり、感染症そのものに対する不安のみならず、それに伴う様々な制限、学習面への不安、そして、そういった厳しい状況を受け入れながらも、高校生活がスタートし、一生懸命に高校生活を送っているお子様に対する寄り添いは、相当なものであったと推察をいたします。
本日、新たな旅立ちを迎えた卒業生はこの北千里高校で、心も身体も立派に成長されました。
担任団をはじめ、教職員一同、心からお喜び申しあげますとともに、この間、本校の教育にご理解、ご協力をいただきましたことに深く感謝を申しあげます。
さて卒業生の皆さん、改めて、ご卒業、おめでとうございます。
高校生活も今日で終わり、いよいよ旅立ちの時です。
入学してからこの日を迎えるまで、皆さんそれぞれに、本当にいろんなことがあったと思います。
もしかしたら、決して楽しいことばかりではなく、時には涙し、時にはふさぎ込んだこともあったかもしれません。
今、あなたの心の中に浮かぶのは、どのような思い出でしょうか。
南九州への修学旅行、最高学年として学校全体をけん引した体育祭、クラスがひとつになった文化祭、汗と涙を共有した部活動、受験に向けて頑張った放課後…
北千里高校の一員として、その思い出があなたにとって素晴らしいものであることを、心から願っています。
そして、皆さんが手にした卒業証書は、一人ひとりのたゆまぬ努力があったことは もちろんのことですが、その陰には、深い愛情を持って見守ってくださった家族の方々をはじめ、先生、友だち、その他多くの人たちの励ましや支えがあったことを 心に刻み、改めて感謝の気持ちを思い起こしてください。
高校を巣立っていく今日だからこそ、ぜひ家に帰ったら、ご家族やお世話になった方々に卒業の報告をするとともに、しっかりと感謝の気持ちを伝えてください。
それでは高校生活の最後にあたり、皆さんに大切にして欲しい「気づき」と「心遣い」ということについてお話したいと思います。
「気づき」と「心遣い」どういうことだと思いますか。
例えば、将来企画する仕事を担当して 資料を作るとします。
この時、ただ作るだけではなくて、見る人にとってこうすれば理解しやすいのではとか、ここがわかりにくいので改善が必要というようなことに「気づいて」様々な工夫をする「心遣い」ができたら、わかりやすいから誤解やミスも減る、なので効率も良いので結果として全体の業績が上がる、というような好循環が生まれます。
接客業なら、お客様が何を望んでいるのか・どうすれば喜んでもらえるのかに「気づき」「心遣い」することにより、本当にお客様に喜んでいただき、そうしたらまた次も来てくださる、さらに口コミ等もよくなることで繁盛するので自分もうれしい、だからまた頑張る、というような好循環が生まれます。
きっと、「心遣い」なく、与えられたことをやっているだけでは得られない、たくさんの成果や幸せが得られます。
「気づき」と「心遣い」は、友達や同僚そして家族などの人と人との関係ではもちろん、先ほどの資料作りのような作業や仕事など、生きていくすべての場面で大切です。
そして、「心遣い」ができるためには、相手の立場に立った「気づき」が必要です。
皆さんは、これからの人生たくさんの人と出会い、接していくことになりますが、相手の様々なことにちゃんと「気づいて」「心遣い」が出来る、そして相手からも「気づかれ」「心遣い」してもらえる、そのような人間関係をたくさん築いていってほしいと願っています。
「気づか」なければ「心遣い」できていないことにさえ「気づけ」ないのです。
これからもたくさんのことを学び、たくさん知り、たくさん考え、たくさん語りそしてたくさん「気づき」たくさん「心遣い」し成長し続けて行ってください。
最後に、卒業生の皆さん、皆さんのこれからの人生、要領が良くなくても、結果がすぐに出なくても、いつも勝者でなくても構いません。
ただひたすら 自分の信じる夢を追い続けてください。
そして、今から何十年後か、皆さんがこの北千里高校での生活を思い出して、「あの時代が一番幸せだった、楽しかった」と心の底から感じるのなら、私はこの学校の教育が失敗だったと言わなければなりません。
なぜなら、人生は進歩です。若い時代は準備のときであり、最上のものは 過去にあるのではなく 将来にあるからです。
そうです、その将来を創っていくのは皆さん一人一人なのです。
コロナにより多くのことに制約を受けたことで、これまで当たり前に感じていた、例えば「人との触れ合い」や「表情を伴うコミュニケーション」がどれだけ大切で、それによっていかに心が癒されるのかを考えるきっかけともなりました。コロナから教えてもらったことも、これからの生き方や考え方にとって大きな財産になるでしょう。
これからも多くの試練が皆さんを待っていると思いますが、ピンチは成長への大きなチャンス。北千里高校での生活を糧に力まず蒜まずチャレンジしてください。
今、世の中は紛争や自然災害などであらゆることにおいて予測が困難で、また、皆さんを取り巻く環境はスピード感をもってどんどん変化しています。これからどんな時代が訪れようとも、「気づき」と「心遣い」を大切にできる心豊かな人生を送ってもらいたい、みんなが幸せに生きられる社会を築いていってほしいと、心の底から願っています。
『四四孫々(ししそんそん)』
二年生の修学旅行で皆さんが作ったこの四字熟語を覚えていますか。
四十四期の皆さんが、孫の代まで語り継げるような、たった一度の青春を、人生を大いに謳歌してください。
今日の卒業を迎え、それぞれの世界へ出ていく皆さんが、いつの日か多くの夢を叶えて、豊かな人生を送られんことを、そして、皆さんの人生が幸多きものとなりますように、心からお祈りし、私の式辞といたします。
ご卒業、本当におめでとうございます。
令和六年 三月一日
大阪府立北千里高等学校
校長 田 尻 由 美 子
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