北千里高等学校

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    2023年02月06日

    科学部実験緑:信号反応

    お久しぶりです、(中の人は初めまして)科学部ブログ係でございます。
    科学部らしいことがしたくて 信号反応  なる実験をしました。

    What is 信号反応実験
    ・色素の変色を酸化還元を用いて操り、一瞬にして色を変化させる実験。

    How to 信号反応実験
    ・使ったもの
    インディゴカルミン(青色二号)
    炭酸カリウム
    グルコース(ブドウ糖)
    紙コップ
    ペットボトル
    混ぜる棒
    60℃ぐらいのお湯
    ※今回は LUMICA お家でできるプチ研究シリーズ を使いました

    ・実験
    1.ペットボトルにお湯を100mlとグルコース1.5g、炭酸カリウム5gを溶かす
    2.紙コップにインディゴカルミン0.05g、水5gを溶かす
    3.1と2の溶液を混ぜて放置し、溶液が黄色くなるまで待つ。
    4.溶液を振る、色が変わる、楽しい。
    5.振った溶液を放置する、色が変わった順番を巻き戻すように黄色に戻る、楽しい。

     

     

    ※温度が低いとうまくいきません
    ※服につくと全然取れません
    ※溶液には素手で触らない方が賢明です、水酸化ナトリウムを使う場合は安全眼鏡を使うとかした方がいいでしょう。
    ※熱いよ

     

    詳しい理屈
    インディゴカルミン自体は青色の染料ですが、この実験では大きく分けて三つの形体になります、一つ目は酸化型、酸素と結合している状態です。二つ目は還元型、還元剤(今回はグルコース)の働きによって酸素が取り除かれている状態です。三つめは中間型、酸化と還元の間の状態です。
    つまりこの反応でなぜ一種類の染料が複数の色を示しているかというと、酸素との結合具合によって微妙に異なる物質になっていて、それらの物質は異なる色を持つからだと言えます。

     強アルカリ性の溶液中でインディゴカルミンは緑色になります、しかし還元剤で還元型にすると黄色になります。これが実験3.での変色です。
    次に容器を激しく振った際に起きる反応は溶液にボトル内の酸素を混ぜることで色素が酸化し、黄色の還元型が赤色の中間型に、赤色の中間型が緑色の酸化型になります。これが実験4.での変色です。
     最後に振った溶液を放置すると、巻き戻るように黄色に戻っていきます、これは還元剤が酸化した溶液から酸素を奪い取ることで上記とは逆の順番、つまり緑色の酸化型から赤色の中間型、赤色の中間型から黄色の還元型になることで起きます。これが実験5.の変色です。

     

     さて、上記 詳しい理屈を最後まで読んで、かつ信号反応を実際にやってみた方なら疑問に思うと思うのが緑色という言葉だろう。
    そう、実際には緑色よりもずいぶん青色になる。なぜかというとこの実験ではアルカリ性の溶液を作るのに炭酸カリウムを用いているからである。
     インディゴカルミンはpH11.4よりも低い溶液では青色、11.4以上では緑色、13.0以上では黄色を示し、一般的な信号反応で用いられる強塩基の水酸化ナトリウムはpH11.4以上、炭酸カリウムはそれほど強い塩基でないのでpH11.4未満になるため、このような結果になったのではないだろうか。
     これから何が言えるかというと、信号反応実験は条件によって、酸化 還元だけでなくpHも変色の要因になりえると言えるということだ。